日々是口述173(R6 ・11・08)
言霊を 体現(たいげん)せよと 合気道 開祖の教え これぞ天意(あい)なり
合気道の早朝稽古の中で、開祖・植芝盛平師が時折言われる言葉「合気道は言霊を体現することじゃ」が長い間のテーマだった。また先回も書いたが「皆も(神の子として)猿田彦神となって世の人々を(神の平和の世界へと)導かなくてはいかん」と仰っておられたこととあいまって、これまで山本の人生に響いていた言葉である。
言霊の体現とは、言霊という見えない世界を、体で現わすこと。即ち四次元、五次元、六次元の高次元界を、三次元世界に具象化して示すこと?という、とんでもない難解な仕事ではないか。
しかし今、光輝書法会の「(言霊)呼吸書法」を通じて学ばせて頂いたことで、「言霊を体現すること」の意味を悟らせて頂けたのだ。
「いろは・ひふみ合気(言霊)呼吸書法」と名付けた吾が会の「書法」が、言霊の体現となり、猿田彦神となって世の人々を、神の平和の世界へと導くことになることに気付かせられたのだ。正に天命遂行の為に、天の奇跡の導きとしか考えられない。
平成3年(1991年)9月27、28日、台風19号が日本列島を襲い、収穫前の東北のリンゴが全滅という甚大な被害を受けたことがあった。
それより約3か月前、仙台で開かれた呼吸書法の講習会での中で、青森のリンゴ園の社長・竹谷氏の質問が「私は青森でりんご園をやっていますが、採り入れをしようとすると台風が来て、みんな落とされてしまいます。これを落ちないようにするにはどうしたらよろしいですか?」というものだった。書法を教えに行った者への質問である。しかし、山本は即答したのだ。「りんご園の中で、毎日いろはとひふみを大きな声で唱えてください」この回答をしたことが今考えても不思議で仕方がないのである。山本の体験でもなければ知識でもない。誰が考えてもこんな回答をする者がいるだろうか。「山本の出任せです」といつも冗談まがいに笑いではぐらかしているのだが、後々考えると自分でも不思議なのである。
しかしその時竹谷氏は何の質問もなく「分かりました」と答えたのだ。そして次の日から毎日りんご園の中で、いろはひふみを奏上したのである。こんなに「素直」な人がいたということで、今日までの青森弘前の「落ちないリンゴ」の奇跡の話が、
光輝書法会の歴史となって残っているのである。
これ以外にも多くの奇跡的な話はレポートに書いてきたが、正にこれこそが「言霊が体現された」ということではないだろうか。
前回のレポートにも書いたが「日頃発する言葉は自分で発しているのだろうか?」ひょっとしてその都度、内在する神の意志によって、言わされているのではないか?とも思えるのである。 山本光輝 拝