日々是口述166(R6・05・23)
点動き 線動きつつ 筆の跡 天が運ぶか 神の意の文字
全ての書の原点は一つの点である。点が動いて線が生まれる。まるで宇宙創造の瞬間のビッグバンのごときではないか。
無限に発生する素粒子。粒子という名前のごとく、「粒」なのか? また一説にその素粒子は「紐」のごときものではないかという。
日本独自の「ひらがな」を連綿体で書くと、見事な線の連なりになる。その連続した線で言葉が書ける。言葉は意志を表す。人の意志は生命を表現する。人の一生も言葉で表現され、文字で表せば一本の線で表される。「人生は一本の線」である。
山本の書は、時として「いろは・ひふみ・アワの歌」を一行ずつ、一本の線で書くことがある。確かに紐理論を意識して書いている。言葉の原点も宇宙創造とともに発生したと考えているからだ。
聖書ヨハネ伝に「初めに言(ことば)があった」と書かれている。続けて「言は神とともにあった。言は神であった」とある。
故に言葉(神)を見える形として表現する「ひらがな」文字も、日本では「神名(かな)」という。
神としての言葉を使い、神の形である神名を使う人は、間違いなく神である。しかし、神であるとはあまりに畏れ多いので、「あなた方は神の子である」とキリストも言われている。
それ故に、言葉の原点である「いろは・ひふみ・アワの歌」48文字をひらがなで揮毫する神の子の書字からは、神のエネルギーが発生するのである。
光輝書法会会員の書からは、神の波動・光が発生して、大地も世の中も清め正していく。このような世の為人の為に尽くせる書を書く、こんな素晴らしい書法を学ぶことができることは、なんと幸せではないだろうか。
会員諸氏とともに精進できることに感謝申し上げている。
合掌 山本光輝